「みぃちゃああぁん、大丈夫なのぉ〜〜!??」


「うん。もう大丈夫だから」



よかったよおぉ、と抱きついてくる莉都の頭を撫でながら苦笑を漏らす。


まるで私が難病にでもかかったみたいに大袈裟だ。ただの風邪なのに。


でも、それだけ心配をかけていたんだよね……


ズシッと罪悪感が心に広がる。



「本当に大丈夫か?」


「うん。ただの風邪だし」


「そっか」



ホッとしたように笑って、蒼介は莉都を引っぺがしてくれた。


うーん……ちょっと莉都が気の毒、かも。


ソファに座ると涼がさりげなく温かい飲み物をくれた。


私はお礼を言ってありがたくそれを頂く。



「そういえばなんだけど、この間の話、覚えてるかな?」


「……うん」



多分、ううん、きっと緋連雀のことだ。


この話を聞いているのは私と涼、そして太陽だけ。


莉都と蒼介は何か別のことを話していて、朱雀はここにはいない。



「簡潔に言うね。とりあえずこの間の話は全部終わったと言っていいよ」


「それは、もう事件は起きないってこと?」