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ベッドにくるまるようにして丸くなる。


頭がガンガンして、気持ち悪い。


体が熱くてたまらないのに、心は氷のように冷たい。


感覚が、心が、あの頃に戻ったようで、今までの私が思い出せない。



私、どうやって、息をしていたの?


どうやって、感情を表現していた?



どうやって、笑っていたの……?



扉の向こう。人の気配を感じて本能的に部屋中に殺気を満たす。


カチャリ、という音とともに、スゥ、と自分の中の何かが失われていくような感覚。


気づけば体が動いていて。


ハッとしたときには私の下にはかな兄がいた。


私の特徴的な銀の髪が、かな兄の顔にかかっている。



「あ……かな、ちゃ………」


「落ち着け、満月」



そっと体を起こしたかな兄は、私の頭をその胸に引き寄せた。