「な、なんだったんだろうね……」
「そんなん、分かるわけねぇだろ……」
闇に溶けるように消えた白猫に、金縛りが解けた。
「太陽、どうする?」
固い声で聞いてくるのは涼。
多分、倉庫に行くかどうかを聞いているんだろう。
「………」
俺は無言のまま進んだ。
そのあとに涼や、躊躇いながらも莉都や蒼介が続く。
「すうくん?」
「あ、あぁ」
今行くわ、と言う朱雀は白猫の消えた方を見ていて。
その顔は青ざめ、強ばっていた。
まぁ、あんなところを見たら、その反応も当然だろう。
ただ、朱雀はこれでも肝の据わった方だ。
だから少し違和感を感じたが、俺はあまり気にしなかった。
そして、俺は倉庫の扉を開けた。