髪にも顔にも、毒々しい赤が飛び、その服も赤黒く染まっている。


もともとが白なだけに、その姿は異様に見えた。



「一つ、忠告してあげるわ」



俺たちに背を向けたまま、白猫は声を出す。



「この件に関しては何も触れないことね。例え調べても何も出てこないし、時間のムダだわ」



それに、と言葉を続けた白猫は、顔だけこちらに向けた。



「万が一、何か一つでも知ったらあなたたち……"消される"わよ?」



偽りを言っているようには感じられない。


それが逆に、恐怖を煽る。



俺たちは白猫がその視界から消えるまで、動くことができなかった。