助かった、と思ったのも一瞬。
「あれ、今日は莉都が早かったみたいだね」
「でもあいついねぇじゃん」
「またソファで寝てるんだろ」
あれ、約2名、知っている声があるような……
ソファの背もたれのところが壁になっていて誰か分からない。
けど、近づいてきてる?
この状態ダメなんじゃ……
「ちょっと、莉都、誰か来たけど」
「うん?……本当だ」
言われて初めて気づいたらしい。
「みんなおはよー」
やっと離れてくれた……と言っても、莉都はソファに手をついて上半身を起こしただけ。
私はまだ起き上がれるわけもなく。
「お前またお菓子食べてたのかよ」
「別にいいじゃん!!蒼くんには関係ないでしょ」
知らない声の人はさっきの話に出てきた"蒼くん"なわけね。
……って、そんなことはうでもいいから、早くこの状況に気づいてよ莉都。


