「俺たちは、この一連の犯人を探してた」
「だから?」
「犯人は?」
「………」
なぜか白猫は口を閉ざす。
その瞳が、微かに揺れたような気がした。
「終わったことだから手を引けというのは、納得できない」
真っ直ぐにその瞳を見て、しばらくの間見つめあう。
先にそらしたのは白猫の方だった。
「犯人なら……もういないわ」
「いない?」
そう反復して呟く。
そして血に染まった彼女を見て、まさかという思いに駆られる。
「気になるのなら中を覗いてくればいい。もっとも、行けるのならね」
するり、と俺の手の中から白猫の手が抜き取られる。
同時に、首に感じていた冷たい刃も離された。
「私は行かないことをお勧めするわ。私の格好を見たら分かるでしょう?お世辞にも、あの倉庫はもう使えないわね」
確かに、その姿を見れば中がどのような惨状なのか、漠然とでも予想できた。


