莉都は一瞬キョトン、として。
ぱあぁ、と満面の笑みを浮かべた。
「みぃちゃん大好きぃーっ!!」
「ぅわっ!!」
いきなり抱きついてきた勢いで、私は莉都とソファに倒れてこんでしまう。
ポッキー、机に置いといてよかった。
持ってたら絶対こぼしてたわ。
「えへへー」
「莉都?どいてよ」
「うんっ」
と言いながらも、多分無理だろうな、と思う。
かな兄も一度こうなるとなかなか離れてくれない。
いつもは音兄が剥がしてくれるんだけどな。
「はぁ………」
こうなったら莉都の気のすむまで抱きしめられているか、誰かが莉都を剥がしてくれるのを待つしかない、か。
どちらにしても長い時間こうしてないといけないのか。
またため息が出そうになった時、扉の開く音がした。


