夏休みが明けて、新学期も始まり、平和な日常が私たちに戻ってきた。


前と変わったことと言えば、まぁ涼が音兄とよく連絡をとってるってことかな。


前に話したときに二人とも気があったみたい。


二人、似てるもんなぁ……どことなく。


なんていうか、同族的な。同じ穴のむじな?


莉都や蒼介がかな兄と電話をしているのもたまに見る。



「ひま〜、ひまだよぉ〜」


「そーやなぁ」



少し肌寒くなった屋上。


持参したポッキーを食べていると、莉都と朱雀がそんなことをぼやき始めた。



今ここにいるのは莉都と朱雀、そして太陽と私。涼と蒼介はちょっと野暮用らしい。


二人がいないのは双翼に関係することだと思う。


あくまで私の勘ではあるけど。



「みぃちゃんは暇じゃないのー?」


「んー……」



何もないってことには同意だけど、暇、ではないな。


こういう時間って結構好きだし。



「退屈やぁー……なんやおもろいことでも起こらへんかなぁ」



蒼介がいないことをいいことに朱雀はゴロンとソファに寝転んだ。


莉都もひまぁっ、とテーブルに伏せる。



そんなに暇なのか。


退屈は人を殺すって聞いたことあるけど、まさにこんな感じなんだろうか。