少し前を歩く太陽の背中を見つめる。



……なんか、大きいなぁ。


かな兄や音兄の背中なら見慣れてるし、かな兄たちの背中も大きいけど。


それとは全然違うように見える。



「俺も、」



太陽を見上げると、その顔は穏やかに笑っていて。


少しだけ、胸の奥が騒いだ。



「俺も……今のこの時間が、幸せだ」


「……うん」



その言葉は、私の胸の中、強い心に囲まれている脆い部分に響いてじんわりと染み渡った。





幸せ……そう、例えるなら怖くなるぐらいの。



ずっとずっと、こんな穏やかで幸せな時間が続けばいいのに……










私はこのとき、まだ気づいていなかった。



すぐそばまで来ていた、闇からの足音に。