「言っただろ。今度は守るって」



そう言って太陽は当たり前のように私の隣にきた。


少しだけゆっくりとしたスピードで歩くと、太陽もそれに合わせて歩いてくれる。


こういうところが、優しいんだよね。


知らず知らずのうちに頬が緩む。



「……幸せ、だな。今のこの生活が」



ぽつり、とこぼした言葉に、太陽が私に目を向けた。


だけど、私は気づかないフリをして空を見上げた。



「くだらないことで笑いあったり、喧嘩したり、話したり。当たり前に帰れる場所があって、迎えてくれる場所があって、自分の居場所があって……そこは、私を包んでくれるみたいに、あったかいの」



きっとみんながいるから、みんなが優しいから。


だから私もそう思うんだろうな。



「こうやってのんびり歩くのも、些細なことだけど、すごく幸せ……」



不意に左手が温かいものに包まれる。



「え、太陽?」


「嫌か?」


「嫌じゃ、ないけど……」



繋がれた手を見下ろす。


こ、これっていわゆる恋人繋ぎって言うんじゃ……


慣れない感覚に戸惑う、というか……少し恥ずかしい。


私を見て優しく微笑んだ太陽は、そのまま柔らかく私の手を引いた。