急に謝られても、何のことだか分かるはずもなく。


私は戸惑いとともに首を傾げる。



「ボクと一緒にいるから、注目浴びちゃってるでしょ……?」



背中からでもしゅん、としている莉都の顔が想像出来る。


いきなり連れて来たにしては、そういうこと気にしてくれてたんだ。



「別に、気にしてないよ?」



確かに、まぁ、知らない人達から何故自分の悪口を言われなきゃならないのか、理由は知りたいけど。


でも、見られることにはもう馴れた。



「本当に……?」



階段のところで莉都が振り返る。


予想通り、少ししゅんとしてる。



「うん、本当に」



そう言った途端またぱぁっ、と顔が明るくなる。


本当、犬みたい。


チワワとか、トイプードルみたいな感じ。



「でも、何でみんな私たちのこと見てるの?」



莉都は、まぁかわいいし。


普通に注目を集めるのは分かるんだけど。



「うーん……みぃちゃんは知らなさそうだけど、ボクって結構有名人なんだよ」


「へぇ?」


「滅多に女の子とかと一緒にはいないしね。だからみぃちゃんといるのが珍しいんじゃないかな?」


「ふーん」



それだけじゃなさそうだけど。


会話中にも私と莉都はどんどん階段を上がっていく。



「はいっ、とぉちゃぁーっく!」



莉都がバンッ、と扉を開けた。