「でも、そうすれば………」



いたたまれなくて、申し訳なくて、その気遣いに心が震えて私はそっと目を伏せた。



修羅様は、分かっているはずなのに。


私がここに来ることの危険性を。


私の居場所がバレて、関係が知られれば、例え修羅様でもただじゃ済まない。


下手をすれば、BCMは迷わず全てを消すだろう。


そう、全てを……人を、物を、記憶を。あのときのように。



そんなこと、分かりきってることなのに、どうして……



「昔がどうであれ、今の君は太陽の仲間だ。ここに来るのに、可笑しな理由ではないだろう?」


「そうよ、満月ちゃん。いつでも来ていいのよ。なんだったらずっとここにいてほしいぐらいだわ」


「冬麻さん、春花さん……」



二人の優しさに胸が熱くなる。



「ありがとう、ございます。また来ます……絶対に」


「そうだよ、また話そうね?」



暁さんにも笑顔を返して、私は頭を下げた。


みんなの温かい笑顔を感じながら、私は太陽の家を後にした。


そのまま私はみんなにありがたく家まで送ってもらった。



「ちゃんと安静にしてろよ?」


「分かってるって」



もう……本当に心配性なんだから。



「じゃあみぃちゃん、次は学校で!」


「またね」



マンションの前でみんなと別れ、私は久しぶりに我が家に帰ってきた。