目の前を見るともの凄くかわいい笑顔がある。



「みぃちゃん、行こっ!」


「………は?」



どこに?、と聞く前に莉都は私の手を引っ張ってぐいぐい進んで行く。


振り払おうとするけれど、まぁ相手はいくらかわいくても男なわけで。



「ちょっと、莉都、どこ行くの?」


「いいから、いいから!」


「いやいや、よくないから」



そんな私の抗議も虚しく、私は莉都に着いて行く(?)しかなかった。



まぁいいか。


人間あきらめが肝心だって誰かが言ってたし。


それにしても……




「何あいつ……」


「どうして莉都様と一緒にいるのよ!?」


「莉都様のなんなわけ?」


「転校生だからって調子乗んなよ」




やたらと悪意のあるお言葉が私に向いていない?


しかも莉都"様"って……莉都って何者だろう。


"様"がつくぐらいだし、もしかしてさる国の王子だったりして。冗談だけど。



「……ごめんね」


「え?」