「あ、それと満月のこと苛めんなよ。んなことしたらあとが怖いからな」



ぽんぽんと私の頭を撫でながら言う。



「大丈夫だって。心配のしすぎ」


「ばーか。心配なのは満月じゃなくて、満月苛めようとか考えてる奴等だよ」


「………あぁ」



言われた瞬間はどういう意味か分からなかったけど、多分かな兄と音兄のことかな。


2人は極度の心配性……もといシスコンだから。


確かに、私を苛めようとするものなら……うわ、考えたくもないや。


相手を再起不能にさせるくらいは簡単にしそうで怖い。


権力乱用だ。



「なになに〜?ボクにも教えてよ〜っ!!」


「プライベートだ」


「はたちゃんのけちんぼぉ〜っ」



はたちゃん、って大ちゃんのことかな。


大ちゃんの方がかわいいあだ名だと思うんだけど。



「うるせーぞ。じゃ、満月頑張れよ」


「うん」



そのまま大ちゃんは教室を出ていった。



頭ぽんぽんで髪ボサボサしてないかな。


手櫛で整え終わると莉都が何故か、私の手を掴んできた。