「な、なんだぁ?ここまで来て帰るなんて言うなよ?」


「…ここにいる男ってこれで全員?」



質問を無視して聞く。


けれど逃げる意思表示ではなかったことに安心したのか、男は質問に答えてくれた。



「あぁ…そうだが?
なぁに、心配しなくてもこれだけの奴らを相手にしろって訳じゃねぇから安心しろよ」



どんだけ的外れな心配しているんだ、と思ったが口にはしない。



「じゃあ、見つけた俺らが一番乗りでっ!!」


「よーしっ。ナイスアイデーア!じゃあ移動しようか、お嬢さん?」



そう言って数人が私を囲み肩に手を置く。


でも………



―――バタッ


―――バタッ


―――バタッ




「………え……?」



私のまわりの奴らは一瞬のうちに地面に伏せた。



「……っお前、何をした!?」



男達は動揺しているみたいだ。


まぁそうだろう。


こんな女一人が恐らく男数人を一瞬のうちに倒したのだから。