「みぃちゃん、車椅子って、そんなに悪くなってたの!?」


「大丈夫なのか!?」


「満月ぃ〜〜!!」



この三人もいつも行動が大袈裟だ。


これ、説明しようとしても聞いてくれないと思うんだけど。


どうしようと思っていると



「三人とも。満月ちゃんが困ってるよ?」



ニッコリと黒い笑顔を浮かべる涼。



「「「…………」」」



一瞬で静かになった。


まるで音兄を見ているみたい……あ、退院したって連絡しないと。



「満月が車椅子に乗ってるのは念のためだ」


「じゃあ、体が悪くなったっていうわけじゃないの?」



よかったぁ、とあからさまに胸を撫で下ろす。


ちょっと考えれば分かると思うんだけど。じゃなきゃ退院なんてできないし。



「お喋りはそこまでにして、そろそろ帰ろうか」


「そうだな。満月の体調も心配だし」



太陽がかな兄化している。


ほんと心配性なんだから。



みんなが車に乗り込み、私も車に乗った。


私は車に乗っている間、家に帰ったらかな兄と音兄に電話しよう、と考えていた。










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「………で、ここどこ?」



見上げた先には見たことのない豪華で大きな家。


私、自分の家に向かっていたはずなんだけど。


おかしいな。ついに幻覚を見るようになったんだろうか。……それこそ病院が必要だよ。



「俺の家」


「………どうして太陽の家にいるの?」