「はい、検査でも異状なかったし大丈夫だろ」


「ほんと?ありがと、大ちゃん」



どういたしまして〜、と大ちゃんは笑う。



私が目覚めてからすでに三日が経った。


検査やらなんやらでも異状がなかったので、絶対安静を約束して今日退院できるらしい。



「退院の準備とかは?もうできてるのか?」


「うん。もともと荷物は少ないしね」



ちょっとの着替えと暇潰しの本だけだし。



「早く家に帰ってのんびりしたいよ」


「家に帰ったら帰ったで誰かさんがうるさそうだけどな」


「う……否定できない」



クスクスと二人で笑いあっていると扉の開く音がした。


太陽たちかな。確か退院の手伝いに来るって言ってたし。


……もうほとんど準備終わっちゃってるんだけど。



「満月」



迎えにきたぞ、と言って入ってきたのは思った通り太陽だった。


その後ろには涼もいる。



「荷物はこれだけ?」


「うん、そうだよ」


「じゃあ運ぶね」


「ありがとう」



どういたしまして、と笑顔を浮かべて涼が荷物を持っていく。


うーん……ちょっと悪いけど今は仕方ないよね。


怪我人っていう自覚は一応あるし頼らせてもらおう。



「満月、歩けるか?」


「うん、大丈夫だ、」


「じゃねぇよ」


「わっ」