「あいつらなんだって?」
「……今から来るって」
ケータイを大ちゃんに返す。
「へー。だってさ、奏、音。どうする?」
「……僕らは帰るよ。バレると厄介だし、今会うといろいろしちゃいそうだから。いいよね、奏」
「……あぁ」
……あれ、二人とも機嫌が悪い。
太陽の名前聞いたときもなんか嫌そうな顔してたし。
ん?というかいろいろってなんだろう?
「満月、これ。一応用意しておいたんだ」
「あ、私のウィッグとカラコン」
さすが音兄。準備が早いなぁ。
お礼を言って素早くそれを着ける。
「それじゃ」
「おぉ、またな」
「満月〜、安静にしてろよ」
「む……分かってるよー」
心配しすぎ。
いくら私だって怪我のときは無茶しないのに。
「大樹、満月をよろしく。あと……」
「何?」
音兄が黒い笑顔で大ちゃんの耳元で何か囁く。
「……頼んだよ」
「…りょーかい。ま、言われなくてもしてたと思うけどな」
部屋を出るときのかな兄と音兄は気味が悪いぐらいニコニコしていた。
その割に雰囲気はどす黒かったけど。
ついでに大ちゃんもどことなーく似たような雰囲気が……こわ。
「音兄に何言われたの?」
「京野たちが来たらすぐ分かるよ」
「?」
よく分からないけど、太陽たちが来てから分かるならあとでもいっか。


