「みっ、みぃつきぃ〜〜ぐぇっ!!」



私に突進してこようとしたかな兄を大ちゃんが止める。



「いっ、おい大樹!何すんだよっ!」


「うっせぇば奏!あのままいってたら満月死ぬだろうが!!」


「はぁ!?なんでだよ!?」



ぎゃーぎゃーと言い合う二人を余所に、音兄は椅子を持ってきて私のベッドの隣に座った。



「満月、体の調子はどう?」


「え、うん。まだ微かに痛むけど、全然平気だよ」


「そう…よかった」



安心したように音兄は少し笑う。



「でも、まだ寝てないとだめだからね」


「はーい」



大人しく私はベッドにもぐり込む。


本調子じゃないのは自分でも分かってるしね。



「ね、音兄。あのあとどうなったの?太陽たちは?」


「うん。今から大体の説明はするからちょっと待ってね」



ニコリと笑って音兄は言い合っている二人の方へ行き、物凄く笑顔で、低い声で



「黙れ」



と言った。



「「……はい」」



二人が従ったのは言うまでもない。



「それじゃあ説明を始めようか」


「お願いします」


「了解。と言ってもあまり説明することはないんだけどね」