「満月、今のうちに着替えてこい」


「うん。分かった」



朱雀が帰ってきたので、またついて来てもらって私はさっさと着替えた。



「お、朝よりはよない?」


「頑張りましたよ」



私たちが戻るころにはほとんどの片付けは終わっていて、ちょっと罪悪感。



「満月。車はあっちや。あとのことは下のヤツに任せてワシらはもう行くで」


「え、でも、」


「ワシらがいたところでなんもできんからな」


「んー……でも」



まだ少し片付け残ってるんだけど……



「考えてもみてみぃ。下のヤツらからしたらワシらに準備や片付けさせられるワケあらへんやろ?」


「……確かに」


「ここは大人しく先行くで」


「はーい」



私は朱雀について朝来たときと同じ車に向かった。


私と朱雀以外はみんなすでに乗っていて、私が席につくとゆっくりと車は動き出した。


あー……この揺れって結構眠くなる要因だよね。


ふぁ、と小さくあくびをする。



「眠いのか?」


「ん……少し」



そう言うと朝と同じ温もりを肩に感じる。


そういえば、昼に会ったチャラ組に肩を組まれたときは嫌だったのに。


なんで今は……太陽はこんなにも安心するんだろう。



そんなことを覚醒していない頭の隅で考えながら、私は朝と同様に眠りに落ちた。