「なっ、お前何するんだよ!!いっ…痛っ……」
「それはそっくりそっちに返すぜ。この人に何してんの?」
聞き覚えのある声に振り返って後ろを見る。
「あ、勇」
と名前は知らないけど双翼の子が二人。
「大丈夫ですか、満月さん」
「平気だよ」
男の手を後ろで捻りながらニッコリと笑っている勇に私も笑い返す。
「っ、おい!離せよ!!」
「あ?」
「…っ、いた…いてぇっ……!」
どうやら握っていた手の力を強めたらしい。
男の顔が苦痛に歪む。
「お前ら、今なら見逃してやるよ。さっさと失せな」
さすが不良。眼力が一般人とは違う。
「っ、す、すみませんでしたぁ!」
「ひいぃっ!!」
「うわぁ!!」
男たちは勇に気圧されてさっさと逃げていった。根性ないなぁ。
「ありがとう。助かったよ」
「いえいえ、そんな……それより一人で何してるんですか?」
「かき氷買おうと思ったら声かけられたの」
無駄な時間過ごしちゃったな。
おかげで人は減ったけど。
「みんなもかき氷食べよ。お礼に奢るよ」
「えっ!!そ、そんなこと……」
「いいのいいの。私の気持ちなんだから」
あたふたしている勇の後ろに立っている二人に目を向ける。


