よかった……来たときはどことなくぎこちないと思ったけど、太陽以外はいつも通りみたい。



「許してくれてありがとね。お陰で昨日は楽しかったよ」



その瞬間、ピキッと空気が凍った。


……え。私、何か地雷を踏んだ?



「そ、そうなんだぁ!」


「ほんならよかったわ!!」


「だ、だなっ」



空気を誤魔化すように莉都と朱雀と蒼介は喋る。


反対に太陽は沈黙……涼は変わらずニコニコ笑っている。


変な光景。



「………満月」



しばらくすると、喋り続けていた三人の声を遮るように太陽が私の名前を呼んだ。


ピタリと一気に静まる話し声。



「何?」


「………」



何も言わない太陽を不思議に思いながら見つめた。



「昨日、誰と行った?」


「音と奏と」



涼に言っておいたはずなんだけど。もしかして聞いてなかったのかな。



「そいつらだけか」


「え、……あ。途中でマナさんと大ちゃんに会って、そこから一緒に買い物したよ」



というか、尾行して知ってるはずなのになんで聞いてくるんだろ。


まぁいっか。



「えと、マナさんと大ちゃんは奏と音の友達で、昔から仲良くしてもらってるの。あ、奏は音のお兄さんね」


「…………」



無言が怖い。せめて何か反応してほしい。