「分かったから離してよ」
「みつき冷てぇ〜〜」
「奏、邪魔」
「いって!」
後ろを見ると音兄がかな兄を蹴っていた。
うわぁ……痛そう。
「明日、二日酔いになっても仕事はちゃんとしてもらうからね」
「げっ」
音兄のニッコリとした絶対的な顔を見て、少しだけかな兄が気の毒になったけど。
まぁ、自業自得だよね。
「じゃ、またね。かな兄、仕事頑張って」
「おぉ、気ぃつけろよ〜」
ひらひらと手を振って別れた。
エレベーターに乗り下に向かう。
「あんなに酔っ払って大丈夫なのかな」
「多分ね。後のことはマナさんに頼んできたから馬鹿なことはしないと思うよ」
「んー、ならいいけど」
扉が開く直前に音兄に手を繋がれた。
"?"を浮かべて音兄を見たけどニッコリと笑顔を返されただけ。
…まぁ、たまにはいいよね。
「昔はこうやって、よく手繋いだよね」
「奏も一緒にね」
ぶらぶらと繋いだ手を揺らしながら笑いあう。
「懐かしいなぁ」
ほんと、懐かしい……
外に出ると音兄に少し待つように言われる。
てっきりこのまま歩いて帰ると思ったのに。


