「満月?何してるの?」
「音兄……」
振り返ると眼鏡をとった音兄が優しく笑っていて、自然と私の隣に立った。
「あ、今日は満月なんだね」
「うん……」
「綺麗だね」
「うん……」
「……満月、どうしたの?」
気持ちの入ってない返事を不思議に思ったのか、音兄は私の顔を覗きこんだ。
「わっ……えーと…」
びっくりしたぁ……
さすが双子。
眼鏡してなかったら音兄とかな兄ってやっぱりそっくりだなぁ、なんてどうでもいいことを思った。
「おーい、満月?」
「いや、うん……音兄、あれ見える?」
「あれ?」
私が目線で示した方に音兄は顔を向ける。
「…………」
「…………」
「……なんと言うか、お疲れさまだね」
「うん。ちょっと申し訳ないよ」
私の気持ちは分かっていただけたらしい。
これがかな兄だったら絶対に爆笑してると思う。
だって、怖そうな不良男子たちが木の影に隠れてる姿とか、考えるだけでも面白い。


