そんなことが嬉しくて、3人には気づかれないように私は少し笑った。



「2人ともいい加減に止めなよ。そろそろ満月も教室行かないといけないし」



言い合うかな兄と大ちゃんを止めたのはやっぱり音兄。


こんなところも変わらない。



「お、それもそうだな。おぉーっし!!んじゃ満月、教室行くかぁ」


「あぁっ!!大樹、お前覚えてろよっ」



かな兄まだ何か言ってるし。



「教室?いいけど…今って授業中じゃないの?」



かな兄を無視して質問をする。



「あー、今俺の授業だし大丈夫だ」


「そうなんだ」


「俺をシカトすんなぁ!!」



かな兄しつこい。



「奏、しつこいよ」



音兄ナイス。



「じゃ、行くかー」


「うん」



私と大ちゃんが理事長室を出ようとする。



「満月」



呼ばれて振り返るとかな兄と音兄がどことなく、真剣な顔をしていた。