「海!ボクも行きたい!!」


「やろー?」



いち速く反応したのは莉都だった。



「みんなで行こうよ、海!!」



キラキラとした目の朱雀たちに感化されたように、蒼介も行きたいと言い始めた。



「だってさ太陽。どうする?」


「面倒くせぇ」


「「「えぇーーーっっ」」」



すでに海モードだった朱雀たちだったけど、最終決定を下す太陽は行きたくないらしい。




海、か………


行きたいな、みんなで。


せっかくの夏休みだし、一つぐらい特別な思い出がほしいと思わないこともない。



……うん。正直なところほしい。


それに海なんて小さいときに行った一度だけだったし。


行きたい。



「じゃあ、えぇわ。ワシらだけで行こか?」


「えー、どうせなら太陽くんたちも行こうよぉ……」


「……めんどくせぇ」



本当に行きたくないんだな、太陽。



「みんなで海の思い出欲ーしーいー」



ぷぅ、と頬を膨らませても抗議しても太陽には通じなかった。


……かわいいのに。



「満月ちゃんはどう?」



言い合いをしているのを微笑ましく(?)見ていると涼がいつの間にか私の隣に立っていた。



「海、行きたい?」


「え、うーん……行きたいけど、太陽嫌がってるしね」



無理だろうなぁ。