なんとか突き刺さる視線に耐えて。


しばらくするとステージの上に大ちゃんが立った。


うるさかった体育館が一気に静かになる。



……大ちゃん。あなたどれだけ恐れられてるの。



「、あー……今から終業式を始める。理事長から話あるから静かに聞いとけよ。うるさくしたらキレるからなー」



マイクを通した大ちゃんの声は体育館内によく響いた。



……見てて面白いと思ったのは私だけだろうか。


だって見るからに不良な人たちが一斉に姿勢を正すって。なかなか見られる光景じゃないと思う。


ステージの脇からかな兄が出てきて大ちゃんからマイクを受け取った。


一瞬目が合ったような……いや、確実に合った。


だってウインクされたし。


……あとでメールで気持ち悪かったって言っておこう。



「理事長の芹沢(セリザワ)だ。

お前たちにとっては明日から待ちに待った夏休みだろうが、羽目を外し過ぎないように注意しろ。
特に警察沙汰とかにはならないようにしろよ。

あと必要最低限の宿題はちゃんとすること。しない奴等はあとから課題が追加されるので気を付けるように。以上」



そう言ってかな兄はステージから下りる。