見た目は女の子以上にかわいいけど、やっぱり力は男なんだね。
ものすごく苦しかった。
「あっ!みぃちゃんと蒼くんのも見てきたよ。二人とも補習はなしだった」
「ま、当たり前だな」
得意げに笑う蒼介。
「で、何点だった?」
「えーっ……どうせなら太陽くんたちにも教えたいし、後で言うよ」
夏休みがあったことが嬉しいのか、ルンルン気分で莉都は歩いて行く。
「……行くか」
「だね」
今日はこのあと終業式があって、明日からは夏休みになるらしい。
なんか一学期あっという間だったなぁ。
体育館に着くとすでに太陽たちがいた。
「満月ちゃん、テスト大丈夫だった?」
涼が心配そうな顔をして聞いてくる。
「あ、うん、多分」
「多分?」
「結果見てないから分からないけど、夏休みはちゃんとあるって。莉都が言ってた」
「そっか。よかったね」
ふわり、と私に笑う。
……莉都とは違う意味で癒される。
「涼たちは大丈夫だったの?」
「うん。僕も太陽も補習はないよ」
「そっか。よかった」
今日の朝初めて知ったけど、太陽と涼と朱雀は先輩だったらしい。
太陽と涼が二年で朱雀が三年。
みんなのこと結構知らないんだな、と思った。


