「昨日は本当にありがとな」



玄関まで見送りに行くと蒼介が振り返って笑った。



「当たり前でしょ。仲間を助けるのは」


「……そうだな」


「月曜日、ちゃんと学校来てね。莉都たち心配してたから」


「あぁ。ちゃんと行くよ。……じゃあ月曜にな、満月」


「うん」



少し走って出ていった蒼介の姿が見えなくなるまで、私はずっと玄関の前にいた。



「ふぅ………」



洗濯、しないとな……の前に蒼介の使った部屋の掃除かな。


男の人ってなんか、綺麗に部屋使わなさそうだから心配してたけど、意外にもベッドとか綺麗に整理してあって少し蒼介を見直した。


これがかな兄だったら絶対しないもん。



「、あれ」



とりあえず掃除機だけかけておこうと思い、一通りしたあとにベッドの傍にあるテーブルに目を移すとキラリと光るものがあった。



「……これ、蒼介のピアスだ」



朝に違和感を感じたのはこれだったんだ。


メールで知らせてもいいけど、太陽と会うって言ってたしな。


明日どうせ会うし、そのときに渡せばいいよね。


無くさないようにリビングのテーブルの上に置いておく。





久しぶりに明日の学校が楽しみだった。










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「おはよう」


「あぁ」



今日も太陽のお迎えで私は学校まで行く。


ちゃんと来るかな……