起こすのもかわいそうだし、自然に起きるの待とうっと……



喉が渇いたのでコーヒーを入れると、リビングにコーヒーの独特な香りが広がった。



今日の気分はカフェオレかな。


いつもよりミルクを多めに入れて、私はソファに座りコーヒーを飲む。


飲み終わってもとくにすることがないのでぼーっ、としているとガチャ、と扉の開く音がした。



「ふあ……はよ」


「おはよ、蒼介。よく眠れた?」


「あぁ。最近寝れてなかったからな。久しぶりに夢も見ずに寝てた」


「よかった」



蒼介は枕が変わると眠れないタイプではないらしい。


よかったよかった。



「今何時だ?」


「んーと、もう十一時だ……」



私、どれだけぼーっとしてたんだろう。



「やべっ、俺行くわ」


「?」



時間を聞くと慌て出す蒼介。



「どうかしたの?そんな慌てて」


「太陽と、約束あるんだよ」


「太陽と?何時に?」


「昼間」



つまり正午?



「待ってて。今、服持って来るから」


「頼む」



洗濯機に入れてあった蒼介の服を取り出してリビングに持って行く。


昨日のうちに予約しておいてよかった。



「はい」


「サンキュ」



素早く着替えた蒼介。


あれ、何か違和感が……気のせいかな。