「じゃあ、お休みなさい」


「あぁ。お休み……満月」



パタン、と扉が閉めらる。



私もさっさと寝よう……


欠伸のせいで出る涙を拭い自分の寝室に行く。



ぼふん、とベッドに倒れ込むとすぐに眠気が襲ってきた。



……そういえば、さっき蒼介が初めて私のこと名前で読んでくれたな。


ぼんやりとした頭でそんなことを思った。





蒼介は少しずつだけど、ちゃんと自分の足で立って歩いてる。


私と蒼介は何処となく似ているから……


私も、いつか、ちゃんと過去に向き合えるのかな。


前に、進めるのかな……?


無意識に肩を触る。



そこにあるのは、消したい、でも消してはいけない、私の過去に関わる産物。


刻まれた、証。



私も……進めていると、いいな……



そんなことを考えながら、私の意識は闇に落ちていった。