「すぅくん、来ないねぇ……」


「うん……」


「そやなぁ……」



はぁーっ、と三人同時にため息をつく。


クスクスと控えめ笑う涼は心配してないんだろうか。



しばらく経ったけど、蒼介はまだ学校にも倉庫にも姿を見せない。


私はもう一度ため息をついてさっきもらったオレンジジュースをちゅるちゅると飲む。


倉庫には私専用だ、と言って太陽が用意した一人用の白いソファが置かれ、私はそこに座っている。



「もしかして……私のせいなのかな」


「みぃちゃんの?」



莉都は驚いたように私を見て、朱雀は成る程、という風に私を見た。



「だって、蒼介って女嫌いなんでしょ?私が姫になったと同時に来なくなるなんて……」



まるっきり私のせいじゃないか。



「……満月は蒼介からメールきたことあるん?」


「? うん、一度だけ」



登録ヨロシク、的な愛想も何もない簡単なものだったけど。


それが何?と朱雀に聞くと、朱雀は少し考えてから口を開いた。



「いや……それやったら矛盾せぇへん?満月が嫌やったらメールなんて教えんやろ」


「そうかな」


「そうやろ」



うーん、と三人で頭を抱えた。



「心配しなくても、蒼介なら大丈夫だ」


「太陽は、知ってるの?」



どうして蒼介が来ていないのか。