涼にももう一度聞かれたが、詳しく聞かれると変なことを言いそうだったので、それとなく誤魔化しておいた。
ただでさえ勘が鋭い人ばかりだしね。
「満月ちゃんも食べたいものがあれば取ればいいよ?」
「あ、大丈夫。自分でお昼買って来たから」
「あぁ、それで勇と会ったんだね」
「うん」
納得したような顔をする涼。
私は持っていた袋から、買って来たグレープフルーツのゼリーを出した。
「……満月ちゃん、それだけ?」
「え、うん。そうだよ?」
何を驚いてるんだろう。
気づけば涼だけじゃなく莉都や朱雀、太陽までもがこちらを見ていた。
…………何?
「みぃちゃん……ほんとにそれだけなの?」
「うん」
そんなに驚くことなのかな。
「マジかい……」
いい加減しつこい。
「満月、もっと食べろ」
「え、無理。お腹すいてない」
太陽が不機嫌になった。
………何故?
「満月ちゃん、食べれるだけでいいから。何かこの中で食べたいものない?」
苦笑ぎみの涼に言われてしぶしぶ一番シンプルなパンとコーヒーを選んだ。
食べれるかな……
とりあえずもそもそとパンを口に運ぶ。
それを見てから他のみんなもごはんを食べ始めた。


