「すいません、遅くなって」
「ほんとだよぉ」
ぷくっ、と頬を膨らませて勇を見る莉都はかわいい以外では表現できない。
……って、傍観してる場合じゃなかった。
「ごめんね、莉都。私が一緒に行こうって勇を誘ったの」
「そうなの?」
ね?と勇に言うと戸惑いながらもはい、と返事をした。
「そうだったんだぁ。勇、ありがと。みぃちゃん連れて来てくれて」
「いいえ!そんな……」
照れたように笑って勇は屋上を出た。
「みぃちゃん、お昼食べよ」
「うん」
莉都は勇から袋をもらいご機嫌でソファに座る。
「どれがいいかな〜?」
机に広げて嬉しそうに選んでいる莉都は子供みたいでかわいい。
本人に言ったら怒られそうだから言わないけど。
「お、ワシはこれ貰うわ。あと、これとこれと……」
「すぅくん取りすぎ!って、あぁ!!それボク食べたかったのにぃ!!」
「早いもん勝ちやろ〜?」
ギャー、ギャーと騒ぐ莉都と朱雀。
子供だ。もう子供にしか見えない。
「満月ちゃん、大丈夫だった?」
「え、何が?」
涼が心配そうに聞いてきたけど……何のこと?
「理事長室に呼ばれたんだろ?何かあったのか?」
太陽が涼の言葉を続けるかのように言った。
「あぁ、そのこと。全然大丈夫だよ」
「そうか」


