「私のことは満月でいいよ?それに同い年だし、敬語も別に……」
「だ、ダメですよ!!」
反対するとは思ったけど、そんなに強く反対されるとは。
正直に言うとびっくりした 。
「姫を呼び捨てなんて…それにタメ口……総長に怒られますよ!!」
「そ、そうかな?」
「そうですよ!」
想像したのかひぃっ、と言いながら大袈裟に震える。
その姿が面白くてつい笑ってしまった。
でも太陽って見た目と違って結構優しいのになぁ。
「んー…それなら敬語は諦めようかな。けど、せめて姫はやめよう?」
「ええっ!」
まだ抵抗があるのか。
勇は最後にしぶしぶ姫ではなく"満月さん"と呼ぶことを約束してくれた。
私は別に呼び捨てでもいいのに。
でも私の我が儘で勇が怒られるのは嫌だからね。
ここがお互いの妥協点かな。
「あっ!着きましたよ、満月さん」
「だね」
誰かと一緒にいると時間があっという間に過ぎるなぁ。
「あっ、みぃちゃんだぁ。おかえり〜」
屋上には変わらず蒼介以外のみんながいた。
「ただいま」
「失礼します」
「あ!勇もいたんだ〜。ボクお腹すいたよぉ」
私の後ろから勇が出てきたのを見て莉都の目が輝いた。
……そんなにお腹すいていたんだね。


