仕方ない、といった感じで音兄は笑う。



「満月……お前避けんなよ!!」



かな兄が復活した。


あ、今の感じなんかゲームのやつみたい。



「え、だって避けないと命の危険を感じたから」



かな兄ちょっと怖かったよ。


かな兄はそれにショックを受けたのか、しくしくと泣き真似をして何かしらぶつぶつ言っている。



……うん。こういうときは面倒だから無視に限るね。



「そういえば、音兄。私なんでここに呼ばれたの?」



これは朝から疑問に思っていたこと。


今さら「入学おめでとう」みたいな挨拶をするわけじゃあるまいし。



「満月はまだこの学校のことあんまり知らないだろうから、ちょっと説明しようかなって」


「説明?」



何か特別な規則でもあるのかな。


音兄は私にソファを勧め、コーヒーを入れてから話し始めた。



「この学校の生徒の半数が"双翼"と言う暴走族に入ってるんだ。名前ぐらいは知ってるよね?」



"双翼"……って