それに…私が辛かったとき傍にいてくれた、私を助けてくれた恩人でもある。
「それでいいんだよ」
「シンプルが一番だよね」
こんな簡単なことでいいのかな。
でも、二人がそう言うのならこれでいいのかも。
「総長さんたちにはそうやって説明しなよ。ね?」
「う、うん」
あ、あれ、いきなり雰囲気が有無を言わさない感じに……
気のせい、だよね?
「そろそろ昼時だな」
「えっ、もう?」
時計を見るともうすぐ昼休みのチャイムがなる時間だった。
「結構話してたんだ」
「時間が過ぎるのが早いねぇ」
「だね」
理事長室でお昼を食べるか聞かれたけど、私はそれを断った。
ちゃんと太陽たちに説明もしないとだしね。
チャイムが鳴ってから私は理事長室を出た。
そのまま屋上に向かおうとも思ったけど、購買でお昼を買ってからにしようと考え直す。
となると一度教室に戻らないと。財布は鞄の中だしね。
私は教室に行き、財布だけ持って購買へ向かった。
お昼ごはん何にしようかな……そんなにお腹すいてないし、簡単にゼリーでいいか。
いや、その前にまず売ってるのかな?
そんなことを思いながら少し小走りで購買に向かう。
「売っててよかった」
グレープフルーツのゼリーを買って早速屋上に行こうとする。
「あれ」
そのとき視界の隅に見たことのあるオレンジが映った。


