「答える前に放送で呼ばれたから、何も答えてないよ」
「そ、そうなんだ…」
音兄……まだ肩が震えてる。
「なんて言えばいいかな?」
うーん、と考える。それはもう真剣に。
「別にそのままでよくね?」
「はい?」
かな兄の一言に少しあっけにとられる。
いや、だって……そんなことしたら二人の迷惑になるんじゃ……
「満月にとっての俺たちはなんだ?」
「それは……もちろんお兄さんかな」
「それだけか?」
「?」
他に何かあるんだろうか。
「満月は難しく考えすぎだよ」
クスクスと笑う音兄に少しむっとする。
「じゃあ音兄やかな兄にとっての私って何?」
「そりゃ妹だな」
ほら。かな兄だって私とあまり変わらない答えじゃないか。
「あと……大事な存在だな」
「え……」
「かけがえのない、大切な人だよ」
心がほんわりと暖かくなる。
言葉にするだけでこんなに嬉しいものなんだ……
「私も……二人は大事な家族だし、大切な人だよ」


