……こういうときは似てるんだよね。さすが双子。
「ま、いいか」
「だね」
「え?」
さっきまでとは違い険悪な雰囲気は消えている。
なんか…拍子抜けだ。
てっきり反対されるかと思ったのに。
「反対とか、しないの?」
「どうして?」
「いや……」
どうしてと言われても……
「お前がいいならいいんだよ」
ぽんぽんと頭を撫でるかな兄。
「でも……」
「満月は、姫になって後悔してる?」
優しい目で私を見る音兄はやっぱり私のお兄さんだな、と感じる。
「ううん。してない」
「ならいいだろ。それに双翼ならまぁ信頼できるしな」
「?」
意味深なことを言ってかな兄も私の顔を覗く。
かな兄の目も優しい色をしていた。
それからしばらくは、双翼のことを聞かれて私はみんなのことを話していた。
「あ。そういえば」
「どうした?」
「うん……」
これって二人にしたらどうでもいいことかも……まぁいっか。
「今日、音兄と電話したとき太陽に電話相手が男だって言ったら不機嫌になったんだよね」
何でだろう、と首を傾げるとかな兄はむくれて音兄は吹き出した。
………え?何?
「そ、それ、総長さんには何て答えたの?」
笑いを噛み殺しながら音兄が聞いた。
……何がそんなに面白いんだ。


