「行くぞ、満月」
「えっ、あ、うん」
つい流れで太陽のあとに続いて車を降りる。
このあと物凄く後悔したけど。
『きゃあぁあぁーーーっっ!!!』
『太陽さぁ〜〜〜んっ!!』
『かっこいいーーっ!!!』
うおぅ、み、耳が……っ!!
女子たちの甲高い声が頭に響く。
どこからそんな声出しているんだろう、と真面目にそんなことを思った。
「大丈夫か」
「う、うん…」
まだちょっと頭がくらくらするのは気のせいだと思っておこう。
太陽が心配そうに見ているから。
「行くぞ」
太陽が私の手を引いた瞬間、周りの女子から一斉に嫉妬や羨望の眼差しを受けた。
すごいな、女子。こんなときだけ一致団結。
ある意味感動だよ。
玄関まで行き、そこからは太陽と別れて私は教室に向かった。
その間、男子には挨拶をされ、女子からはあまりよろしくない視線をもらった。
男子は多分双翼のメンバーなんだろうな。
女子は……いうまでもなく、だね。
もう私が双翼の姫になったこと、知れ渡っているのかな。
教室に入るとすでに莉都が席にいた。
「あ!みぃちゃんおはよう」
「おはよう莉都」
朝から元気だなぁ…