あれ。朱雀からまだメールきてないや。
もしかして朱雀忘れてたりして……まさかね。
ケータイを見ながらそう思っていると一台の車が私の前に止まった。
高級そうな車……見覚えがある。
案の定その車がお迎えのやつだったらしく、中から太陽が顔を出した。
「おはよう、太陽」
「……あぁ」
あれ、なんか不機嫌?
気のせいかな。
気にせずに車に乗り込む。
「……出せ」
太陽の一言でゆっくりと車が動いていく。
しばらく無言のまま進んで行くけど、この間のように気まずさは感じない。
この短時間で慣れてしまったのだろうか……私って順能力高かったんだ。
「満月」
「何?」
「何故、外に出ていた?」
外?出ていた?あ、朝のことかな。
「迎えの時間分からなかったから、早めに出ていたんだけど……」
「…そうか」
そう言ってしばらく考えるように口を閉ざした。
「一人でいると他の奴等に狙われやすい。これからは八時に迎えに行くから、それにあわせて出てこい」
「うん。わかったよ」
……うーん、素っ気ないけど、心配しているととっていいのかな。
「太陽さん。着きました」
「あぁ」
どうやら学校に着いたらしい。