玄関を出るとすでに太陽が校門の前にいた。



「遅かった?」



少し小走りで太陽のもとに向かう。



「いや、大丈夫だ」



そう、と私が返事をしたときに一台の車が学校に向かってきた。


高そうな車だなぁ、なんて思って見ていると、目の前に止まって。



「?」


「乗れ」


「え?」



疑問が解決しないまま、言われるままに私と太陽は車に乗った。





そして冒頭に戻る。



「…………」


「…………」


「…………」


「…………」



気まずい。


どこに向かってるのかも分からないし。


出てしまいそうなため息を我慢する。



……そういえば私の鞄どうしたんだろう。


まぁたいしたものは入ってないからいっか。


ケータイはポケットにあるし、財布は……あんまり中身ないし。


そんなどうでもいいことを考えていると車が止まった。



「着きました」


「あぁ」



やっと着いたらしい。


実際にはそんなに時間は経っていないんだろうけど、私にとってみたら結構長く感じた。


太陽が降りたのに続いて私も降り。


ちょっと疲れたなぁ、と思い軽く背伸びをする。


周りを見ると綺麗な建物が建っていた。