「よかったぁ〜。ボクもまだ食べてなかったから、おいしくなかったらどうしようと思ったよぉ」
「そうなんだ」
私が先に食べちゃったのか……ちょっと悪いな。
「じゃあ……はい」
トリュフを一つ、莉都の口元に持っていく。
「みぃちゃん？」
「食べてないんでしょ？」
はい、と持っていくが、莉都はキョトンとした顔をしている。
もしかして意味が分かってない、とか？
「口あけてよ。チョコ溶けちゃう」
え、えっ、と莉都は何故か太陽を見て慌てるので無理矢理口の中に入れてあげた。
「おいしい？」
「……おいしい！」
「ふふ、よかったね。もっと食べたら？」
「いいの？」
いいよ、と言うと嬉しそうに食べ始める。
この勢いだとすぐに無くなりそうだ。
もぐもぐ食べる莉都が栗鼠みたいに見える。
かわいいなぁ…
しばらく莉都を見ていると視線を感じ顔を上げる。
「………何？」
太陽の視線がこちらを見ていた。
「……別に」
「……そう」
それならば視線を外していただきたい。
あと物騒な気配がするのは気のせいだと言ってほしい。
朱雀と蒼介でさえ言い合い止めてるし。
