莉都の隣ってことは蒼介の前なわけで。
真っ正面から蒼介の視線とぶつかる。
……それにしても綺麗な瞳だなぁ。
カラコンには見えないし、蒼介はハーフかクォーターかもしれない。
「何さっきから見つめあってるんや。蒼介も隅に置けんなぁ〜」
ぼふっ、と朱雀は蒼介の隣に座る。
「なっ、んなわけねぇだろ!?こいつは女だぞっ!?」
「やけどさっき見つめあって……」
「睨んでたんだよっ!!」
うん。分かってるよ、蒼介。
ただ朱雀はからかってるだけだから。
「あ、これだよ新作!みぃちゃん、どうぞ〜」
「ありがと」
渡されたのはチョコのトリュフ。中にクランベリーのソースが入っているらしい。
「はい、満月ちゃん。コーヒーでよかったかな?」
タイミングを見計らったように涼が飲み物を出してくる。
「うん。ありがと、涼」
「どういたしまして」
くすっ、と笑って莉都の前にも飲み物を置いた。
ふわりと香ってきた匂いからするとココアか何かだろう。
他のみんなの前にも飲み物が置かれる。
涼は大人だなぁ、としみじみ感じた瞬間である。
「いただきます」
パッケージを開け、トリュフを一つ口の中に入れる。
「おいしい」
「ほんと!?」
「うん」
少しビターなチョコに甘酸っぱいクランベリーがよくあっている。