もしかして…この人たち、双翼のファンみたいな感じなのかな。
「あんたみたいなのが莉都さまや双翼の皆さまに近づくんじゃないわよ!」
リーダーっぽい人が言うと、他の人も同意するように次々と言葉を発する。
……早く終わらないかな。
もうすでに授業のチャイムが鳴ったんだけど、この人たちの暴言は終わりそうもない。
ついため息が漏れた。
「何、ため息出してんたよ!!」
ドンッ、と肩の辺りを押される。
………え。
ふわりとした嫌な浮遊感を感じると共に、ニヤニヤした顔が目に入る。
あぁ、もうムカつく。
とっさに大勢を整えようたけど、今そうしてしまうと不自然に思われるかもと思いなおす。
痛いのはいやだけど仕方ないか。
そう割りきって、私は次に襲ってくるだろう痛みに備えるために目を瞑り。
ダァンッ、と大きな音がした。
「…いっ………」
たくない。あれ?
むしろ、なんか柔らかいというか暖かいというか……?
不思議に思ってぱっ、と目を開くと、私は後ろから抱きしめられるような格好で地面に座っていた。
なるほど。後ろの人がキャッチしてくれたのか。
「な、何で……!」
「きゃあっ………」
声のした方に顔を上げると、さっきの人たちが顔を青ざめていた。
「……ワシ、女のコ苛めるような卑怯なヤツは、嫌やなぁ」
少し殺気を含んでいる聞き覚えのある声が後ろからして、はっと顔を向ける。
そこにいたのは朱雀だった。
思わず名前を呼びそうになったがなんとかとどまる。


