仕方ない。あとで大ちゃんにほどほどにしておくように頼んでおこう。
「満月、あとで河井連れてこい。逃げないようにちゃんと職員室まで来いよ」
「はーい……」
ごめん莉都。なだめるのは無理そうだ。
他の人たちにも来ていない奴等をあとで連れてこい、と物騒な殺気付きで言っていた。
……教師がそんなことしても大丈夫なのかな。生徒怖がってるじゃん。
私には関係ないけどね。
一通りみんなにも私に言ったようなことを言って、大ちゃんは授業を始めた。
眠いなぁ…と思いながら授業を受けて。
そろそろ本当に寝るかも、と思ったときにチャイムが鳴った。
「じゃあ今日はここまでな」
がやがやとうるさくなるクラス。
眠気もどっか行ったや。
「満月」
「何?」
帰り際に大ちゃんに声をかけられる。
「ちゃんと河井、連れてこいよ?」
「……はーい」
笑ってるけど目が笑ってない。
仕方ない……莉都のせいで私が怒られるのは嫌だからね。
席を立ち、莉都がいるであろう屋上へ向かう。
暇なときは大抵屋上、って言ってたよね。
ゆっくりと階段を上がって行く。
疲れた……年かな。
でももうあと少しだ、というところでいきなり前から来た人たちにぶつかってしまった。
「っ、」
あっぶな……
後ろに倒れそうになった体を、ぎりぎりのところで踏みとどまらせる。