結局はいちごみるくを買って教室に行こうとすると、見覚えのあるミルクティー色の髪がもそもそしていた。



……何をしているんだ。


気づかれないようにそっと近づいてみる。


後ろから覗くとパンが何個か残っていて、どうやら何にするかを決めているらしい。


「う〜ん……うぅ〜〜ん…ん〜〜……」と唸っているあたりものすごく決めかねているらしい。


私が笑いそうになったのは言うまでもない。



「何してるの?」


「わっ!!なんだみぃちゃんかぁ。もうっ、驚かせないでよぉ」



ぷうっ、と莉都は頬を膨らませる。かわいい。



「ごめんごめん。で、何してるの」


「えっとねぇ、そうだ!みぃちゃんが選んでよ!!」


「はい?」


「ボクじゃ選べないから、みぃちゃんが選んでよ。ね?」



きらきらとした目で見られて拒否もできず。



「え、と……じゃあこれで」



私が指差したのはキャラメルナッツデニッシュ。


理由は特になく。しいて言うならこの中で一番甘そうだったから。


莉都は、ボクもそれおいしそうだと思ってたんだぁ、と言いながらキャラメルナッツデニッシュとカルピスを買う。


まぁ喜んでくれたなら良しとしよう。



「みぃちゃん、今時間ある?」


「え、まぁ……」



ある、と言えばあるよね、暇だし。


そう言うと莉都はぱあ、と笑顔になる。



「じゃあボクといっしょに行こ!みぃちゃんに紹介したい人がいるんだ〜」