「今すぐ放して。じゃないと、無理矢理にでも外すよ」
少し殺気を出して言うと、ピリッとした雰囲気が流れる。
もしかしなくても半分私のせいだけどね。
前回の様子から、このままだと長くなることは目に見えている。
そんなのお断りだ。私は早く帰って寝たいんだから。
それにただでさえ勘のよさそうな太陽と長く話していたらそれだけバレる危険が伴う。それは切実に避けたい。
この雰囲気、と言うか私の殺気に気づいてか、言い合いをしていた蒼介が小走りでこちらに来た。
それに続くように莉都の足音もする。
「太陽!?何だ、この雰囲、気……って、こいつ誰?」
あ、意外に普通に話してる。
マント着てるから私が女って気づいてないのか、と頭の隅で考えるが目は太陽から離さない。
「そ、蒼くん、待ってよぉ」
ふらふらと荷物の蔭から莉都が出て来る。
いったい2人はこの短時間で何をしていたんだか。
「太陽?」
「太陽くん……?」
蒼介も莉都も、この展開が呑み込めないのか戸惑った顔をしていた。
「……もう一度だけ言うよ。今すぐに、手を放して」
「嫌だと言ったら?」
「言ったでしょ。無理矢理にでも外す」
私はスッと雰囲気を鋭いものにする。
太陽はゆっくりと綺麗な微笑を浮かべた。
「ふっ……やってみろよ」
言い終わった瞬間、私は太陽の頭を狙って右足を蹴りあげた。
「っ、」
「太陽っ!!」
「太陽くんっ!!」
太陽の小さな声と蒼介、莉都の大声が響く。


