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初めて会ったのは、桜の舞う季節だった。
執着するほどの生きる希望なんてない。
死ぬって言われても、あぁそうなんだって思っただけ。
それ以上も以下も感じなかった。
でも、君と会った。
桜の舞いあがる中、くるくると楽しそうに回る少女。
一目惚れだった。
その黒い髪も、瞳も、桜色の唇も、全てに心が惹かれた。
彼女と、生きたい。
それが叶わないなら、ズルいかもしれないけど、せめて彼女の中にいたい。
どんなカタチだっていい。
彼女が覚えていてくれるのなら。
一生もののキズを、彼女に……
最後のとき。
その瞳には俺しか映っていなくて、心の中は満足感に満ちていた。
彼女が、俺のものになって
俺は彼女のものになった。
俺の命は、彼女に奪われることで、永遠になれる。
歪んだそれだと言われれば、そうだと納得できるほどの、俺の彼女に対する愛。
どんなに異常だったとしてもかまわない。
それで彼女は俺のものになったのだから。
白銀の刃がこの胸に降り下ろされるのを、甘い気持ちで見つめる。
「……永遠に、華を愛してる」
そう呟いて、俺は目を閉じたんだ。