まず私は死神で、光はニンゲンで………


はっきり言ってそこからだめよね……



「別にいいんじゃねぇの ?」


「……は?」



別にいい……?何が?



「好きなものは好きなんだろ?仕方ねぇじゃん?あんま深く考えんなよ」


「で、でも……っ」



やっぱり……私が光を殺す事実は消えなくて……


言葉に詰まる私を見て夜は少しじれったそうに私を見ていた。



「あーーっ!!ぐだぐだ華らしくねぇよ!?」



いきなり叫んだら夜にびっくりしてしまう。


え、というかそんなに大きな声出したら光起きるんじゃ……



「華っ!!」


「は、はいっ」



注意しようと思ったけれど、夜のいきおいが強くて思わずいきおいよく返事をしてしまった。



「俺さ……嬉しかったんだよ」


「え……?」



いきなりの夜のカミングアウトの意味が分からない。


私が頭に「?」を浮かべていると夜が話し始めた。



「華はさ……いつもどこか淋しそうでさ…。みんなと壁を作ってるように感じてたから…。
だから、あの日この仕事受けてから、光クンに会ってから、変わった華を見て嬉しかったんだよ。
前よりいろいろな表情見せてくれるようになってさ……。
やっと、心から笑ってくれるようになってさ……嬉しかったんだよ」



嬉しそうに……でも少し切なそうに笑う夜に心が少し暖かくなった。


多分……夜なりに私のことを考えてくれていたんだと思うと……嬉しい、のかな……?



「だから華、仕事とか死神とかニンゲンとか考えずに、たまにはただの“華”として行動するのもいいんじゃねぇの?」



優しい笑みを浮かべている夜……



「………いいのかしら……」



光のことを……好き、って認めても……


許されるのかしら……



「良いも悪いも、そんなの誰にも決められねぇよ。……もちろん、“神様”にもさ」



いたずらっ子みたいに笑う夜に私は笑顔を浮かべる。



「あ。じゃ、俺そろそろ帰るわ」


「えぇ」


「あ、の前に……」


「?」



夜は光の耳元で何か言った……ように見えた。


光は寝てるから……意味ないと思うけれど……